パンドラの箱のパンドラって何?意味や使い方、話の背景が知りたい!

トリビア

目次

パンドラの箱ってどんな意味があるの?どんな使い方をすればいいの?

「パンドラの箱」は

ギリシャ神話を語源としています。

 

あることで人間が、ゼウスという神様の怒りを買いました。

その時、ゼウスが地上に送った箱が

「パンドラの箱」です。

 

パンドラの箱の中には、
この世の「禍(災い)」が詰まっていました。

禍(災い)とは、「争い」「疫病」「悲観」
「不安」「憎悪」「犯罪」「欠乏」など、
ありとあらゆる「不幸を引き起こす原因」という意味です。

 

そのため、パンドラの箱には「開けてはいけないもの」や「禍をもたらすために、触れてはいけないもの」という意味があります。

 

「禁忌」や「逆鱗」などが近い意味になりますので、「パンドラの箱」に言いかえる、という使い方もできます。

 

例えば、

「逆鱗に触れることになるので、やめておこう」

「パンドラの箱を開けることになるので、やめておこう」

というような使い方になります。

パンドラの箱のパンドラって何?これで納得! 話の背景はコレ!

語源となったギリシャ神話のなかで、怒った神ゼウスがパンドラの箱を持たせた女性の名前が

「パンドラ(パンドーラー)」です。

 

「パン」は「すべてのもの」という意味があり、「ドーラー」は「おくりもの」、あわせて「すべての贈り物」という意味です。

 

もともとのギリシャ神話では、人間の女性ではなく、地母神として描かれていました。

 

パンドラがパンドラの箱を持たされて地上に降り立つまで、地上には男性しかいませんでした。

そして、「禍(災い」もなかったと描かれています。

 

神ゼウスは人間を懲らしめるために、
地上初の「禍(災い)」の詰まった箱を、
地上初の「女性」に持たせて送りこみました。

 

その箱は「絶対に開けてはいけない。」
と言われていましたが、開けたいという好奇心に負けたパンドラは蓋を開けてしまいます。

 

パンドラは慌てて箱を閉めるのですが、
時すでに遅し。

「禍(災い)」は

地上の隅々まで広がってしまいました。

 

しかし、カラッポになったと思われた箱の
中に、まだ1つ残っているものがありました。

それは「希望」でした。

希望が人間に残っていたおかげで、
辛く苦しい時も、人間は生きていけるのです。

パンドラの匣?太宰治が書いていた小説とは?グッとくる名言とは?

様々な作品に影響を与えている
「パンドラの箱」ですが、実はあの太宰治も
「パンドラの匣(ハコ)」という作品を書いています。

 

「パンドラの匣」は、太宰治の暗いイメージからは、ちょっと離れた明るい作風の小説です。

 

戦後間もない時代、結核療養施設にいる主人公の恋愛模様と友人との手紙のやりとりを作品にしています。

 

「女性」「災い」「希望」という要素が、

まさに「パンドラの匣」でした。

 

太宰治の作品は、人間の本質を見事に切り取った名言が数多くあります。

この「パンドラの匣」にも、もちろん多くの名言がありましたが、ネタバレになるので1つだけ。

 

「人間は、しばしば希望にあざむかれるが、

しかし、また「絶望」という観念にも同様に

あざむかれることがある。」

 

どうでしょうか?

 

あとがきにも、実に面白いところが

あるので、ぜひ1度読んでみてください。

まとめ

どんな国のどんな神話も、様々な解釈と

翻訳と編集があります。

 

この「パンドラの箱」に限ってみても、
「箱」ではなく「壺」という説や
「女性」ではなく「地母神」という説、
最後に残っていたのも「希望」ではなく
「未来の予兆を知る力という災いだった」

という説もあります。

 

どの神話も調べれば、面白い話がたくさんあります。

 

昔の神様ってビックリするぐらい、人間的だったりしますので、いろいろ調べてみるのも楽しいかもしれませんね!

 

ちなみに「パンデミック」や「パンドラウィルス」の語源も、

この「パンドラ」からきてるみたいですよ~。