先日、東京拘置所に勾留されていた
元日産自動車代表取締役のグレッグ・ケリー氏が
7000万円の保釈保証金を支払って保釈された
というニュースが流れましたが、
そもそも「保釈ってなんだろう?釈放との違いは?」と
疑問を持った方も多いと思います。
そこで今回は
「保釈と釈放の違い」
「解放されるまでの流れやかかる時間」
と言った気になる点について調査をしてみました。
目次
1.知らないとマジでヤバイ!保釈と釈放の違いとは?
保釈と釈放の違いはこちらです。
- 保釈と釈放の違い
用語 | 意味 |
保釈 | 被告人の身柄拘束を条件付きで解く刑事手続 |
釈放 | 被疑者・被告人の身柄拘束を解く行為全般 |
保釈とは勾留されている被告人に対して保証金の納付等を条件に付けて
身柄の拘束を解く刑事手続き上の言葉です。
そして保釈とは身柄拘束を解く行為全般を指す単なる一般用語のことです。
身体拘束状態を解かれる点では釈放も保釈も同じですが、保釈には条件が付きます。
2.保釈金の相場と釈放されるまでの時間はどれくらい?
保釈保証金は罪や資産などに応じた一律のプライスリストのようなものはありません。
- 裁判所の運用・慣行
- 裁判官個人の経験
- 犯罪の性質や資産状態等
によって大きく金額が異なります。
ですが、過去の一般的な事件を見ると
150万円から300万円が保釈保証金の相場
と言われています。
次に保釈されるまでの時間ですが、
保釈申請をしてから保釈されるまで最短でも4~5日はかかる
ようです。
裁判所が申請内容を審議するだけでも2,3日はかかるので、
申請後に即保釈とはならないようです。
3.知っておきたい!保釈の条件と釈放までの流れとは?
保釈までの流れはこちらです。
被告人は起訴後でないと保釈申請をすることはできません。
- 保釈までの流れ
警察・検察→ | 弁護士→ | 裁判所→ | 弁護士→ | 被告人 | ||
逮捕 | 勾留 | 起訴 | 保釈申請 | 保釈許可 | 保釈金 納付 |
保釈 |
保釈される条件は以下の2点です。
1.保釈保証金の納付
2. 保釈指定条件を守ること
保釈指定条件とは具体的には以下のような条件になります。
事件の内容によって変わるため一律ではありません。
制限居住を守る
証拠隠滅を図らない
共犯者、被害者との接触を図らない
外泊禁止など
保釈中は自由な生活を送ることができますが、
保釈条件に違反すれば保釈が取り消されて再び身体拘束されてしまう可能性があります。
また支払った保釈保証金は「保証金」であるため、
保釈保証金は保釈条件に違反していないかぎり判決が言い渡されると全額返ってきます。
更に、保釈保証金を支払えない人には
保釈保証金の立て替え払い制度があります。
ただし通常の借り入れよりも高めの利息が付くケースが多いようです。
では、釈放は一体いつまで有効なのでしょうか?
保釈されてから第一審の判決日まで保釈は効力を持ちます。
通常裁判は起訴から1ヶ月後に開かれることが多いため、条件さえ守れば
1ヶ月程度は自由に過ごせると言えます。
4.まとめ
いかがでしたか。私たちは普段、保釈保証金の金額の大きさだけに目が行きがちですが、その裏では
条件や手続きの流れなど、私たちが知らない事がある事がお分かりいただけたと思います。
今後ニュースを見る際にこの知識を思い出していただけたらと思います。